食べ物には、いろいろな栄養素が含まれていますが、そのうち「タンパク質」「脂質」「糖質」の3はは三大栄養素と呼ばれており、人間の生命維持や活動などに欠かせないエネルギー源と言われています。
ダイエットをする上でも、人間に必要な栄養素を理解して、3大栄養素が摂取できる食事を心がけましょう。
タンパク質
私たちの筋肉や骨、皮膚、臓器、毛髪、血液、酵素、ホルモンなどをつくる原料となるのがタンパク質で、約20種類のアミノ酸が結合してできています。
そして、アミノ酸の中には、体内で合成することができないために、食品から摂取しなければならないものがあります。
そうしたアミノ酸は「必須アミノ酸」と呼ばれ、成人の場合はイソロイシン、ロイシン、トリプトファン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、ヒスチジン、スレオニン、バリンの9種類。
子供の場合はこれらにアルギニンを加えた10種類があります。
また、アミノ酸も、たんぱく質を構成するだけでなく、神経伝達物質やビタミンなどの生理活性物質の前駆体としても重要です。
【動物性たんぱく質】肉類、魚類、乳製品、卵など
【植物性たんぱく質】米、大豆製品、ゴマ、イモ類など
主な働き
■筋肉、骨、血、ホルモンなどを構成する成分
■生命維持
■体内代謝
■神経伝達物質を生成
■抵抗力アップ
不足した場合
■脳の働きが鈍る
■体力、スタミナの低下
■貧血
■肌荒れ
■抜け毛
■病気に対する抵抗力低下
日本人の食事摂取基準によると、一日に必要なたんぱく質は摂取エネルギーの13~20%が理想とされており、推奨量は、成人男性は一日60g、成人女性は一日50gとなっています
脂質
水に溶けずにエーテル、クロロホルムなどの有機溶媒に溶ける物質を総称して脂質とよび、炭素、水素、酸素で構成されています。
脂質のうち、食品中の脂質の主成分であり、エネルギーとして利用されるのは、主に中性脂肪(トリアシルグリセロール)です。
水に溶けない中性脂肪は、小腸から吸収された後、水に溶けるたんぱく質と結合して体の各部に運ばれます。脂質は、糖質やたんぱく質の約2倍の1グラムあたり9キロカロリーのエネルギーを産生しており、重要なエネルギー源となっています。
そのほかにも、ホルモンや細胞膜、核膜を構成したり、皮下脂肪として、臓器を保護したり、体を寒冷から守ったりする働きもあります。
また、小腸での吸収の際は、脂溶性ビタミンの吸収を助ける働きもあります。
【脂質を含んでいる食物】 肉、魚、油、ナッツ類
主な働き
■脂溶性ビタミンの吸収を促す
■ステロイドホルモンを生成
■細胞膜を生成
■必須脂肪酸(体内で合成できない脂肪酸)を供給
不足した場合
■成長が遅れる
■皮膚障害(湿疹)
■血管がもろくなる
■皮膚のかさつき
■脂溶性ビタミンの吸収率低下
日本人の食事摂取基準においては、総脂質の総エネルギーに占める割合(脂肪エネルギー比率)の目標量は、男女とも20以上30%未満とされています
糖質
食事から摂取するほとんどの糖質は、炭水化物です。
ブドウ糖や果糖などの単糖から、構成されているものを総称して炭水化物と言います。
炭水化物には大きく分けると、体内に吸収されてエネルギー源になる「糖質」と、消化吸収されずエネルギーにならない「食物繊維」とに分けることができます
単糖類には、ブドウ糖、果糖、ガラクトースなどがあり、二糖類にはショ糖、乳糖、麦芽糖などがあります。
これらは、すべて体の中でエネルギーになる「糖質」です。
ショ糖は、調味料として普段使っている砂糖のことで、ブドウ糖と果糖が結合したものです。
また、乳糖はブドウ糖とガラクトースが結合したもので、牛乳に多く含まれています。
よく牛乳を飲むとお腹がゆるくなることがあります(乳糖不耐症)。
これは乳糖を分解する酵素が足りなくて、消化不良を起こしているのです。
少糖類はオリゴ糖とも言い、腸内の善玉菌を増やす効果があるとして、特定保健用食品にも利用されています。
多糖類には、代表的なエネルギー源となるでんぷんや、グリコーゲンがあります。
どちらもブドウ糖が多数結合したものです。また、果物に多く含まれるペクチン、こんにゃくに含まれるグルコマンナン、寒天に含まれるアガロースなどの食物繊維も多糖類に分類されます。
大豆オリゴ糖 大豆タンパク質を利用したあとの残りカスからつくられるもので、大豆に含まれる各種のオリゴ糖の総称として、こう呼んでいます。消化酵素で分解されにくいことから、エネルギーはショ糖の約半分。酸や熱にも強く、少量でビフィズス菌を増やすことができます。 |
イソマルトオリゴ糖 ハチミツや味噌、醤油等に含まれるオリゴ糖の一種。酵母によって発酵しないことから、非発酵性糖とも呼ばれています。ビフィズス菌の増殖だけでなく、食品にコクや旨み、甘味を与えたり、食品の保存性を高めたりする働きがあります。 |
フラクトオリゴ糖 ビフィズス菌の増殖を促すほか、便秘を改善する作用も持っています。消化酵素で分解されにくいことから、低カロリーの甘味料として利用される一方、虫歯になりにくい甘味料としても用いられます。 |
ガラクトオリゴ糖 乳糖をアルカリで処理してつくられたもの。ビフィズス菌の増殖、便秘並びに下痢の改善、たんぱく質の消化・吸収を助けるといった働きがあります。 |
主な働き
■速効性の高いエネルギー源
■脳や神経系に対する唯一の栄養源
■疲労の回復
■筋肉の運動並びに体温を維持
不足した場合
■エネルギー不足による疲労感
■集中力、学習能力の減退
■不眠
■イライラ、不安
1日に必要な炭水化物の量(目標量)を表にしました。男女とも1日に摂取するエネルギーの50~65%に相当する量です。